レティクルの方式

スコープのレティクルには大きく分けて「ワイヤーレティクル」と「ガラスエッチングレティクル」の2種類があります。
(それぞれさらに細分化されます)

先日、掲示板の光学機器スレにてレティクルの形式の話題が挙がり、興味を持って色々調べてみました。

・ワイヤーレティクル
細く加工した金属板を用いたレティクルで、スコープの中では最もこの方式が多い様です。
スコープを正面から覗き、わざと像がケられるように左右に顔をずらすと、レティクルか薄い板のように見えます。

上の写真がワイヤーレティクルのスコープ(LEUPOLD Mark4 3.5〜10×40 LR/T M1)を覗いた画像です。
ワイヤーレティクルの最大の利点は、金属板を光軸上に配置するだけなので
光の透過を妨げるガラス(レンズ)が無く、透過率の低下を防げることにあります。
欠点としては金属を用いた細い線なので、複雑な形のレティクルやレンジファインダー系の
ラインが途切れ途切れになったレティクルが作れない事です。
しかし、中には相当複雑な形のレティクルを作る技術を持った会社もあるとか、、、

最大の欠点は、細い金属線ゆえ、強い衝撃を与えられると切れてしまう可能性があることです。
エアガンユーズでは反動で切れることは皆無ですが、リコイルの大きな大口径の実銃では意外と問題視されている様です。

・(ガラス)エッチングレティクル
薬品を用い、ガラス表面を直接エッチングしたり、ガラス表面に薄く付着させた金属膜をエッチングして、レティクルとする方式です。
途切れ途切れや、レンジファインダー等の複雑なレティクルが作れる上にコストパフォーマンスも良好と言う利点を持ちます。
これもわざとケられるように左右から覗き込むと、ガラスの板にレティクルが彫られていたり、薄い金属膜がガラス表面に
付着しているのが見えます。

写真は桑田レッドイーグル4〜12×40FFのレティクルです。金属線では再現が難しい形状(クロスへアの横ラインが2列)で、
横から覗いてもレティクルがキラキラ光らないことから、エッチングレティクルであると推測されます。
良いこと尽くめのように思えますが、光軸上に「ガラス」を配置しなくてはならない都合上
どうしても透過率の低下が起きてしまいます。

主に上記2種類のレティクルですが、各社工夫を凝らして、様々な方式のレティクルを製作しています。

・ガラスサンドイッチレティクル
旧HAKKOが特許を取っていた手法で、ワイヤーレティクルを2枚のガラスでサンドイッチする方式です。
ワイヤーレティクルの欠点であった衝撃によるレティクル切れを完全克服した上に、
複雑な形状のレティクルも製作可能としています。

写真はHAKKO MPZ-4166のレティクルです。
この方式のレティクルは、同じくHAKKO特許のプリズム方式イルミネーションレティクルにも応用されていて、
レティクルのみを綺麗に発光させるイルミネーションを実現しています。
現在、様々な会社でこの方式が使われているようです。

・レンズエッチングレティクル?
?をつけたのは確証が持てなかったからなのですが、先日ZEISSのスコープのデータを取らせてもらった時に
気になる現象がありました。

写真はZEISS Diavari-Z 2.5〜10×48 T*のレティクルですが、このスコープで像がケられる様に
左右から覗き込むと、球面を覗き込むかのようにレティクルが湾曲して見えます。
この事から、このスコープはレンズ郡、エレクターチューブ内か接眼側の凸レンズのどれかに
直接レティクルをエッチングしているのではないかと考えました。
そうすれば、エッチング用のガラスを増やさなくても済む為、光学性能を犠牲にしなくても良いのではと思いました。
本家ZEISSのHPでもそれらしい情報は見られず、まだ妄想の域を出ないのですが
これはこれで有りな方式かな、と思っています。

レティクル一つ取っても、方式に理由があって、そのスコープの設計思想を読み取れる面白い素材の一つです。

参考HP
ZEROIN ttp://www.zeroin.jp/
Shooting Tips ttp://www.shootingtips.com/